

ラシーンは四角いキャンバス!?
1993年、第30回東京モーターショーの日産ブースでは、愛くるしく四角いコンセプトモデルが展示された。
その名は『RASHEEN・ラシーン』。時代は3次元曲線を多様した流線型が主流。同じ日産ブース内ではR33型スカイラインが展示されていたのだから、
ラシーンがそこにあるという光景は異様であったと想像がつくであろう。そんな時代と逆行するラシーンのコンセプトモデルであったが、大きな賞賛をへて、
1994年12月に晴れて市販される事となるのであった。さて、このラシーンというクルマだが、一見すれば四角くて可愛らしい印象を受ける。 しかし、その造形は単体パーツを見てとれば、非常に機能的であり、なお個々のパーツ自体が素材感を主張していることが伺える。 スピードウェル社は、そのパーツの素材感に着目し、「ラシーンの持つポテンシャルをさらにひきたたせる事が出来るのではないか」というチャレンジスピリットを掲げ、 日々製作に没頭するのであった。
しかし!!!ここでいつものウェル的好奇心が爆発!!ラシーンの本質を知らずして、スピードウェルが何を出来よう。何をひきたたせる事が出来ようか?? そこで、まずはラシーンの本質を知るという一番重要なミッションを遂行する事となるのである。 今回もご迷惑と承知の上で、ラシーンのエクステリアデザインを手掛けられた、平林俊一氏に直撃インタビューさせていだきました。
ラシーン コンセプト編
四角いキャンバスを作ろう
クルマのボディはあくまで、使う人にとってのキャンバス。
素材としてクルマを突き詰めていったら、四角い形にたどり着いたんです。
当時の時代背景としては、丸く流線型のエクステリアデザインが主流。さらにRVブームも定着し、泥臭くハードなデザインから徐々に乗用車化していくなか、四角いクルマが欲しいという要望を感じ取っていた。
「このクルマのコンセプトを表現できる、新しい四角さとは何か?を常に考えていました」
ただ四角いのであれば、時代をさかのぼるだけの古い車になってしまう。どうすれば新しい四角い形を構築できるのであろうか?
それは平林氏が描く柔らかい線が解決する事となり、新しい四角いクルマ『球面で構成された箱』としてラシーンの四角さを確立するのであった。
素材としてクルマを突き詰めていったら、四角い形にたどり着いたんです。


『かっこいい』の切り口を変えた、新しい5ドア


1週間の合宿をおこなった山梨県の清春芸術村だ。この中にラ・リューシュという建物が有り、ここがラシーンの初期スケッチが描かれた場所である。
ラシーン デザイン・設計編
パーツへのこだわり

丸と四角が融合したヘッドランプ

さいごに

最後に沢山のラシーンお宝グッズを見せていただきました。レアな物ばかり!ありがとうございました。
これからもスピードウェル社はラシーンの魅力を十分に楽しみたいと想うのでござる。

HyperNeutral 平林俊一
幼少の頃、父に連れられて鈴鹿サーキットに行くところからクルマに興味をもつ。 1991年、日産自動車に入社。デザイン本部、デザイン開発室に配属される。 ショーカー・デュアドのパーツデザインを手掛けた後、ラシーンのエクステリアデザインを担当する。 その後ルネッサ、エクストレイルのインテリアを担当、1999年に独立。 概念、デザイン、音楽と多方面で活躍する。
http://blog.livedoor.jp/its_new1969/
幼少の頃、父に連れられて鈴鹿サーキットに行くところからクルマに興味をもつ。 1991年、日産自動車に入社。デザイン本部、デザイン開発室に配属される。 ショーカー・デュアドのパーツデザインを手掛けた後、ラシーンのエクステリアデザインを担当する。 その後ルネッサ、エクストレイルのインテリアを担当、1999年に独立。 概念、デザイン、音楽と多方面で活躍する。
http://blog.livedoor.jp/its_new1969/
ウェルのあとがき
『一つひとつのパーツに命がある』 今回、平林氏とお会いし、色々と勉強させて頂いたのだが、ラシーンというクルマに見られる、素材一つひとつに命があるというコダワリが、ラシーンの普遍性につながっているだろう。 発売から15年という歳月が流れ、さらに愛され続けているという事は、偶然ではなく必然であったのだ。 これからも、ますますラシーンは愛され続ける事となりそうだが、スピードウェル社としての使命は、数限りあるラシーンと、その良さを大切にしながら、新たなオーナーに愛され続けられるように、クルマ作りを努力する事のようだ。
『一つひとつのパーツに命がある』 今回、平林氏とお会いし、色々と勉強させて頂いたのだが、ラシーンというクルマに見られる、素材一つひとつに命があるというコダワリが、ラシーンの普遍性につながっているだろう。 発売から15年という歳月が流れ、さらに愛され続けているという事は、偶然ではなく必然であったのだ。 これからも、ますますラシーンは愛され続ける事となりそうだが、スピードウェル社としての使命は、数限りあるラシーンと、その良さを大切にしながら、新たなオーナーに愛され続けられるように、クルマ作りを努力する事のようだ。